永遠dream

⑥〜闇の支配者〜

  全員の視線が1箇所に集まる。

視線をたどるとそこには70歳くらいに見える男性がいた。
その人が纏う異様な空気に背筋が凍る。

「クロユリの代表である空木義明です。」

え、空木?
あの人今空木って言ったよね・・・?

「あの人って・・・・・・」

私は可憐さんに問いかける。

「空木義明。組織クロユリの創設者の血を受け継ぐ者で・・・萌々様、貴女のお爺様にあたる方でございます。」

!!?

この人が、私の・・・おじいちゃん・・・・・・?

確か、お母さんのお父さんだよね。
婿養子をとったって聞いたことあるし。

こんなにすごい人だったんだ・・・・・・

“萌々様”なんて呼ばれるわけだ。
レイの言っていたことにも納得がいく。

「お忙しい中足を運んでいただけたこと感謝します。本年も『心地の良い共存生活』をモットーに、人間とヴァンパイアを結ぶ第53回全国サミットを開会したいと思います。」

しんと静まり返った空間に、義明さんの声が響き、サミットが始まった。

内容は現時点においての人間側の問題提起、ヴァンパイア側の主張、結論、ヴァンパイア側の問題提起、人間側の主張、結論・・・と続くらしい。
< 152 / 200 >

この作品をシェア

pagetop