永遠dream

③~貴女も支配者~

 不穏な空気の中、私たちは無言で出口に向かう。

警備をしているクロユリの人たちの目が邪魔で仕方なかった。


扉の外はすっかり暗くなっていた。
一体何時間あの場所にいたのだろうか。

そして、そこにはセオさんの他に意外な人物がいた。

「・・・お母さん・・・」

「・・・協会から連絡があって。」

そうか、意外ではないのかもしれない。

お母さんもクロユリの人間・・・

私はレイとセオさんをかばうように前に出た。

お母さんも・・・お母さんも2人にきつい言葉をあびせるの・・・?

「萌々、車に乗って帰るわよ。」

「・・・・・・っ・・・」

「あなた方も。うちまででもよいのでしたら。」

母のヴァンパイアの扱いはあくまで客人としてだった。

あの、サミットでの蔑む空気がなくて安心した。

ハンターと共に狭い密室空間にはいるという異様な選択肢だったけれど、レイたちは車に乗ることを選んだ。

ほんの少し不安に揺れる目から察するに、私を心配しての行動だったと思う。
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