永遠dream

④〜伸ばされた手〜

「ばか!!レイくん置いて逃げれるわけないでしょ!!」

そう言って彼女は俺の首に抱きついてくる。

「バカはどっちだ!俺の後ろにまわれ!はやく!!」

珍しく俺に従い後ろにまわろうとした彼女。

しかし次の瞬間、視界は赤に染まった。

「・・・うっ・・・・・・」

そして生ぬるい血の感触と共に彼女の体重を感じる。

「はっ・・・っ・・・はっ・・・・・・」

彼女自身まだ状況を把握出来ておらず目を見開き痛みと恐怖に震えながら必死で俺の服をつかむ。

俺は、そんな彼女を引き寄せた。

「・・・・・・なぜ・・・人間を撃った。」

俺は“怒り”なんて一言では表せない感情に支配される。

「なぜ・・・・・・人間を巻き込んだ・・・・・・!!」

人間かそうでないかの区別くらいお前ならできるはずだ。

なのに・・・・・・!
お前はこいつを・・・・・・!!

それでも男から帰ってきた返事は非常に簡潔なものだった。

「さぁ・・・邪魔だったから?」

俺は手についた彼女の血をほんの少し舐めた。

そして――


男の心臓をこの能力で引きちぎって潰した。
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