強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
終電に
「馬鹿やろうっ!!!」


オフィスに怒号が響き渡った。


「すみませんっ!!!」


大きく身体をくの字に曲げ、謝罪する。


「大変申し訳ありませんっ!」
「先方に渡す前に、俺が気付いたから良かったものの、俺が気付かなかったら、どうなってたと思ってんだっ!!!」
「本当に申し訳ありません。」


私に赦された言葉は、その言葉しか見つからない。




取引先に提出する見積書、決算額が一桁違った。
一桁違えば、こちらの損失額は膨大なものになる。


最終チェックしたはずだと思ったのに。
初歩的なミス。


入社5年目の私が犯していいようなミスではない。


「深月、次はないからな。わかったな。」
「はい・・・・・」



桐島部長が気付いてくれたから助かった。
あれが、あのまま先方に渡ったたら、考えただけでゾッとする。
私は頭を垂れて。自席へと戻った。


「大丈夫ですか?」


隣の席の1つ後輩の碧ちゃんが声を掛けてくれた。


「大丈夫・・・私のミスだから・・・・・」


口ではそう言ってても、心底落ち込んでいた。



今日中にこれを作り直さなければならない。


今日中には帰れないだろうな。
今日しなきゃいけない仕事もあるし。
あー、最悪だ。




< 1 / 84 >

この作品をシェア

pagetop