強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
「新城奏汰です。楓がいつもお世話になってます。」
「何よ、その言い方。保護者しないでよっ!」
「別にそんなつもりはないけど。」


そう言う奏汰の大きな右手は私の頭を優しくポンポンと叩いてた。


「仲、良いんですね。」
「そんなことな・「そうだよ。」」
「ちょっと、奏汰!」


そんなやり取りをしてれば、


「私はこれで失礼します。お邪魔虫は早く退散しますね。」


と、碧ちゃんは足早に去ってしまった。


あー、まだ奏汰の機嫌直ってないよね・・・・・と、奏汰の顔を見上げれば、そこには黒いオーラを纏ったイケメンが立って居た。


「楓、行くよ。」


一瞥され、車へと促された。


「はい・・・・・」


どうやら私は逃げられそうもない。



車が発進し、重い沈黙に耐え切れなくなった私は、軽く溜息を吐いてしまった。


「はぁ・・・」


「どうして楓が溜め息吐くの?」
「え・・あ・・・それは・・・・」
「クスっ・・・俺が怒ってると思ってるの?」
「・・・うん・・・」



運転席の奏汰の顔を見れば、悪戯にも口角の端は上がっていた。


「そりゃ少しは怒ってたけど、楓だから。」
「何それ?」
「ん?楓、だから。」



意味のわからない理由を言って、奏汰はそこで話を終えた。
楓だから。私だから?だから、なんだろう?
これ以上、奏汰を怒らせても仕方ないから、私もそれ以上は何も言わなかった。





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