強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
想いの行先
考えても考えても、往きつく先はなかった。


もう一つ・・・・・


桐島部長が何故、こんなにも私に優しくしてくださるのか?
それも疑問に思っていた。
桐島部長ほどの人が、女に困っているようにも見えない。
困っているはずもない。


あのルックス、身長に肩書。
仕事をしている姿は、どの社員よりも格好良い。


ただ、冷酷、非情。
その形容詞が会社では付き纏っているだけだ。


けど、それも違うと私はわかった。
仕事に誠実で、部下思い。


それは前面には押し出さなくても、部長を見ていればわかる。


え・・・・・?


部長を見ていれば?
私は、部長が赴任して来た時から、部長のことを見て来ていたんだろうか?
視線の端、きっと、私はいつも彼を追っていたんだ。


想いの往き付く先が、何だか見えたような気がした・・・・・



奏汰は憧れに過ぎない。
それを幼かった私は“恋”と勘違いした。
どんどんイイ男になっていく奏汰に、周りの子が惹かれて行くように、私もそうだと錯覚していただけに過ぎない。



桐島部長にキスされたあの日。
私の感情と言う感情が、一気に色付き始めた。








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