強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
甘い時間?
「深月。」


上座から地を這うような声が掛かった。


「はい。」
「何だこれは?お前はこんなことも出来ないのかっ!」
「すみません、すぐやり直して来ます。」


踵を翻し、席に戻る。


「はぁ。」


溜め息は吐いちゃいけないと思いつつも、怒られれば溜め息は出る。


「楓さん、大丈夫ですか?」


隣の碧ちゃんが心配して声を掛けてくれる。


「大丈夫。ちょっとしたミスだから。」


上座から送られて来る視線が痛い。
お前はそんなことも出来ないのか?と。


「桐島部長、ほんとに怖いですよね。」
「まぁ、そうでもないんだけどね。これは私が悪い。」
「楓さん、桐島部長と何かあるんですか?あんな怖い部長なのに、そんなことない発言。出来ないですよね、普通。」



会社では二人の関係は秘密にしている。
特に理由はないんだけど、同じ職場で同じオフィスで恋人同士が一緒に働くのは周りが良い気がしないだろう。


「えっと・・・・・思ってるほどは怖くないんじゃないかなって、予想?」


あははははと誤魔化すように笑う。
と、再度上座から怒号が飛んだ。


「何を喋ってるっ!!早くやれっ!」
「「すみません。」」


あー、後で怒られるな。と思いつつパソコンに向かう。


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