mariage~酒と肴、それから恋~《3》
「懐かしいなー、皐月。元気してた?」


「まあまあ元気かな。三井くんは?」


「俺もまあまあ元気だよ」


大学時代の三井くんは、大学のグラウンドで走り回って日に焼けた肌に茶髪だった。

今は社会人らしく黒髪に整えられてて、肌もそんな焼けてない。

でも、健康的な笑顔は変わってなくて、ちょっと嬉しい。


確か銀行だったっけ。堅い職業に似合った、きちっとスーツに身を包んでる。


そんな良い男になった三井くんは、今も昔も冒険心なく何年も代わり映えしない黒髪セミロングの私をしげしげ見た。

「皐月変わらないなー」


「余計なお世話だよ」

さらっと突っ込み返す。

自分でもちょっと驚いた。昔ならこんな軽い返しはできなかったのに。


付き合ってた頃は、緊張して上手く自分を出せなかった。

結果、すぐにダメになった。
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