翼をなくした天使達



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「先生ー。具合悪いんですけど」

私は昼休み保健室に行った。

美保とご飯を食べてたら沙織グループもまざってきていつの間にかエグい下ネタトークになり、食欲も失せて結果気持ち悪くなって保健室に来た。

でも先生はどこにもいない。


「仮病お疲れー」

窓際のベッドから嫌味ったらしい声が飛んできた。

「仮病じゃないし。ってかいつもいるよね。
そっちこそ仮病じゃん」

「は?おれ具合わりーとか理由つけた事ないし。
普通にサボるのに快適だからここにいるだけだけど?」

それはそれで問題だよ。

保健室のベッドを家みたいに使ってるし、どこから持ってきたか知らない漫画とか読んじゃってるし。

「あーこれ?漫画研究部の部室からパクってきた。読む?」

「読むわけないでしょ!」

私はブツブツと文句を言いながら椅子に座った。

「元気じゃん」

蒼井はそう言ってまたベッドに寝転んだ。

確かに元気になってきた……かも?

あの空気に耐えられなくて逃げてきちゃったけど保健室は静かでやっぱり落ち着く。一緒にいる人さえ除けば。

「ってか先生は?」

「あーなんか1年同士が喧嘩してそっちに向かった。腕折れてるとか言ってたから病院に付き添ってんじゃね?」

腕折れたとか……こわ。

喧嘩してどうやったらそうなるの?背負い投げでもしたんだろうか。


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