保健室の先生と私。



「分かんないだろ?気持ちだけで十分だから。」



「うん…」



先生はそう言っても、私だって何かしたい。



役に立ちたいと思うのが当たり前で。



「ココア入れます!」



棚に置いてあるココアの素を発見。



「いいよー。火傷されたら困る。」



「し、しないしっ!子供扱いしなでっ!」



私だって、家事くらい出来るんだから。



馬鹿にしないでよね。



「別にしてないよ。ただ火傷してからじゃ遅いでしょ?綺麗な手が台無しだよ。」



その顔は真剣そのもので…少し怖かった。



「俺は梨々華が心配で言ってるんだ。だから涙目になんなよー…」



「な、泣いてません…っ。」



でも言葉とは逆で、涙は溢れるばかりだった。
< 492 / 629 >

この作品をシェア

pagetop