南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )

息継ぎも忘れて吐き出した。


本当はずっと思ってたけど、考えないようにしてたことを、ついに瀬那にぶつけてしまった。


きっと私じゃなくても、瀬那は押しに負けて付き合ってた。"私だから"なんて特別な理由なんてない。

そう思うんだ。


だって瀬那はすごく、優しいから。



「…っ、ああ。そうかもな。確かに佑麻に会ってなかったら、俺は今、原野を選んでたかもしれない。」


でもさ、いくら私が言い出した事とは言え、
ここは否定しとくとこじゃないのかな。



壊れていく音がする。
私の"好き"が、大きくなりすぎて、パーンッて。風船が割れた時みたいに大きな音を立てて壊れた。



「っ、…もうやだ。もう疲れた…。瀬那といると苦しい。」



見てるだけで良かった。
声を聞くだけで嬉しかった。
話せた日は1日中 幸せで、


両思いになれた日は、涙が止まらなかった。


「いつまで経っても私ばっかり好きで、私の想いが大きくて、どんなに追いかけても…追いつけないよ。」


きっと私は欲張りなんだ。

どんどん欲張りになって、瀬那の全部を独り占めしたくって。


中学生相手にムキになったりして、瀬那に呆れられちゃうし。バカだから、嶋中くんのこと誤解されちゃうし。



< 246 / 324 >

この作品をシェア

pagetop