100万回の祈りをキミに
プロローグ




いつかこんな日がくるとわかっていた。


ピピッと次第に弱くなっていく心電図の音。

覚悟はしていた。


だから後悔しないように。

後悔だけはしたくないからたくさん話そうって。

たくさん会おうって。

たくさんたくさん笑っていようって約束した。


覚悟はしていた。

していたはずなのに、私はずっと弱くなっていくキミを見ながら祈ってた。


どうか彼を連れていかないで。
どうかずっと傍にいさせて。

どうか私の大好きな人を。
私の大切な人を奪わないで、と。



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