100万回の祈りをキミに

・変化する形





それから季節は流れて、まだ寒さが残る2月2日。

亜紀は無事、誠凌高校に合格した。


その日はふたりでお祝いして。自分のことのように嬉しくて「私も誠凌に行くからね!」と勢いで宣言してしまったけど亜紀は「待ってる」と言ってくれた。

まだ高校生の自分なんて想像もできないけど、亜紀とまた同じ学校に通えるように勉強頑張らなきゃ……!


そして今日は卒業式。

体育館に在校生が座り、音楽とともに3年生が入場してくる。その胸には花が付けられていて、私はずっと亜紀の姿を目で追っていた。

校長先生の話から始まり、在校生から卒業生へ送る言葉。最後に代表者が答辞を読んで、3年間が旅立ちのうたを歌って卒業式は終わった。


見送りの時にはみんなで写真を撮ったり、泣きながら後輩にエールを送る人もいた。

私はその人混みの中を歩き、亜紀を探すけどなかなか見つからない。


「波瑠。亜紀先輩向こうにはいなかったよ」

凪子もキョロキョロと手伝ってくれている。

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