100万回の祈りをキミに
特別な人

・約束の星





夏休み明けの学校。9月になり制服は夏服から冬服へと衣替えした。校門では先生たちが朝から生徒指導をしていて、今日から2学期が始まる。


教室ではみんな夏休みの思い出話で盛り上がっていた。

「藍沢さんおはよー」「久しぶり」なんて、声をかけてくれて1か月ぶりの学校はなにも変わらない。


「つーか夏井焼けすぎじゃね?」

「あー海に行ってナンパしすぎた」

「どうせ全滅だろ?だせー!」

やっぱり一番うるさいのは夏井たち。


夏井の肌はこんがり小麦色になっていて「海に行きすぎてぜんぜん課題やってねー」とか騒いでいる。

本当に計画性がないというか、海でナンパとかベタすぎて呆れる。

……はぁ。またこれから夏井と顔を合わせなきゃいけないと思うと自然と気分が下がってしまう。


「藍沢、課題やった?悪いんだけど見せてくんない?」

「………」

しかも何故か夏井は私に頼みにくるし、早速シカトしたけど。


あの丁寧な敬語で話していた夏井は幻だったのか。

だれと電話で話をして、だれのお墓参りに行ったのか知らないけど、そういうところはちゃんとしてるんだって少しは見直したのに……。

やっぱり夏井は夏井だ。

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