食わずぎらいがなおったら。
田代さんは、最初の上司と合わなかった私を引き取って、開発管理者として育ててくれた。

田代さんの下で仕事を覚えて、当然のようにすぐ好きになり。飲みに行って迫ってみたり、正攻法で告白したり、まぁよく頑張ったと思う。

でも、結婚を考えている彼女がいると断られて。それでもいいですと、私が食い下がっても。

社内の子に手を出すのは俺のポリシーに反するから、と断られた。

もっと、お前のことは何とも思ってないと、きっぱり言ってほしかった。



私は田代さんのお気に入りというポジションのまま結局自分から離れることも出来ず、寂しくて夜遊びしたり適当な相手とつきあってみたりした。武田が気づいて止めてくれたけど。

私が営業に異動になって、その後田代さんも管理に異動になって、社内で会うこともまれになっていた。




彼氏と別れてへこんでるこんな時期に会いたくなかったなぁ。

武田が心配してるみたいなジタバタはもうないけど、逃がした魚は大きかったと思わせたかったよ、せめて。
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