せめて、もう一度だけ
重なってゆく
次の日。


遼くんに会えると思うと、少し恥ずかしい。


今日のお弁当は、サンドイッチにした。


朝、諒にお弁当を渡すとき、


「サンドイッチだから、会社に着いたら冷蔵庫へ入れてね」


と伝えると、諒は、


「サンドイッチ、珍しいな」


と不思議そうな顔をしていた。


厚焼き卵をはさむとおいしい、と何かで見て、作ってみようと思っていた。



私は、ひどい。


好き嫌いのない、そして何も感想を言わない諒のことじゃなく、遼くんのことだけを考えてお弁当を作った。


諒に気づかれないよう、3人分。


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