せめて、もう一度だけ
崩してゆく
木曜も金曜も、遼くんと会えなくて。


連絡も何もなかった。


遼くんの言葉も、笑顔も、ぬくもりも、キスの時に感じるタバコの香りも、消えていってしまいそうで怖かった。



そして、迎えた週末。


諒と私が一緒にいるところを、遼くんに見られてから一週間。


私は、ある決意を胸に抱いていた。


たとえ、すべてを失うことになったとしても。


これからも諒と暮らしていくことに、希望はないから。


遼くんが戻ってきてくれなくても。


もう、自分の気持ちを閉じこめておくことは、できなかった。




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