せめて、もう一度だけ
「諒、気づいてたの?」


「ああ、だってタバコのにおいすることあったし、髪型やネイルが変わったし」


まさか、バレてたなんて思いもしなかった。


「美希子、そいつと再婚するつもり?


どんな男か知らないけど、いまの生活捨ててまで選びたいわけ?


離婚したら、お互いダメージ大きいってわかるだろ」


「でも私は・・・彼が好き」


「俺のどこが不満?」


「不満を言ったって、なんにもならないよ」


「俺なりに、美希子のことを想ってたつもりだったけど、伝わってなかったんだな」


「ごめん、私の気持ちは変わらない」


このまま話しても、平行線のままだ。


私は諒に背中を向けていて。


むくわれないかもしれないけど、遼くんのことが好きで。
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