せめて、もう一度だけ
翌朝、目覚めると。


遼くんはベッドにいなかった。


裸だったから急いで服を着てベッドを抜け出すと、遼くんは朝食の準備をしてくれてた。


「ミキ、おはよ」


「遼くん、おはよう。


ごめんね、起こしてくれてよかったのに」


「すげー爆睡してたから、かわいそうになって」


「・・・恥ずかしい、顔洗ってくる」


洗面所で顔を洗ってタオルでふいていたら、後ろからギュッと抱きしめられた。


「遼くん・・・?」


「一晩しか過ごせないって、つらい」


「そうだね」


「俺だけのミキになれよ」


「うん」



遼くんが作ってくれた朝ごはんを食べて、ふたりで車で出勤した。


幸せだけど、少しせつない朝だった。


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