ビター・アンド・スイート

ビフォアーバレンタイン

もうすぐバレンタイン。
リョウは元、パティシエなので、
手作りチョコは無理だ。
なのに、
「バレンタインのプレゼントは何がいい?」と食後のコーヒーをソファーに運んで、
リョウに聞いてみたら、
「手作りチョコ。」と私を抱きしめた。
私が機嫌の悪い顔でリョウを睨むと、
「うーん。その顔って、他のオトコに見せないでね。」とニヤニヤして、くちづけしてくる。
「バカなの?」と顔を背けると、
「馬鹿でもいいよ。ハヅキの手作りチョコが食べたい。」と私の唇を追ってきて、ながいキスをする。
「なんで?」と息を継ぐと、
「颯太も美咲ちゃんに昔もらったって言ってた。」と言いながら、首筋にキスをする。
このままだと、話が出来なくなりそうだ。
私はリョウの腕から逃れようと、座っていたソファーから立ち上がろうとするけど、
逆に体重をかけられ、押し倒されてしまう。
「リョウー、先に話をさせて。」と言ってみたけど、やっぱり無駄だったみたいだ。
「後で、聞く。」とベットに運んで、くちづけしながら、服を脱がせる。
仕方ない。
こういう時のリョウを止められた事はない。
私は目を閉じ、甘いため息を吐いた。

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