ビター・アンド・スイート
第5章 冬のある日。

冬に暖かく過ごす方法。

私が引っ越してからすぐ、兄とスズカさんの間に赤ちゃんが生まれた。
元気な男の子で、ひいおじいちゃんになった祖父が「太一(たいち)」と名付けた。
三吉屋は小さな新しい家族を大興奮で迎え、
実家のリビングにもベビーベットやオムツや、着替えや、オモチャなどなど、を置いて、
いつでもやって来て良いように準備をしてある。
(まあ、ほとんど日の夕飯は実家で食べる習慣ができているから、
毎日夕方にはタイチ君に会える。)
もちろん、私もすごく嬉しくて、
仕事の帰りに実家に寄って、タイチ君に会いに行き
抱っこしたり、寝顔を眺めたりして過ごした。


gâteau kazamaの新しい店舗は
12月1日に開店予定で、
リョウはさらに忙しく、休日の半日も仕事をするようになった。
それでも、
朝、夕のご飯を一緒に摂るよう努力してくれるので、
私達は今日の出来事を報告しあったり、
私が仕事がない日の朝に抱き合ってから、リョウが仕事に出かけたりして、
仲良く、時には口喧嘩をしながら
(大体がリョウの馬鹿らしいヤキモチだ。)
楽しい日々を送っている。
< 81 / 131 >

この作品をシェア

pagetop