ビター・アンド・スイート
家族で賑やかにお鍋を囲む。
お鍋を2つ出して、豚肉のしゃぶしゃぶ風のお鍋と、
海鮮のお鍋、両方を楽しむ。
家族の人数が多いので、好みが分かれるけれど、
最後はおうどんで締めるのがうちのやり方かな。
案外ヤヨイと兄が鍋奉行で、食べ頃になるとどんどん取り分けてくれる。
「指輪、いつから用意してたの?」と聞くと、
「一緒に住むことが決まってすぐだよ。取りに行ったのはさっきだけど。」と笑った。
「もしかして、さっきの電話があったから?」と小声で聞くと、
「ウカウカしてたら、面倒な事になるじゃん。
俺はいつでも、結婚するつもりでいたし、
ハヅキに決心させるだけだったから。
ハヅキが俺に慣れるまで待ってた。
ハヅキも俺と一緒にいるのが当たり前になってきてたから、
安心してたけど、
でも、確認しておく必要があるだろ。
つまらないことで、不安になるのはゴメンだ。」と笑う。
「不安にさせるつもりはないんだけど。」と真面目に顔を覗くと、
「毎日確認できればいいんだよ。
なんつーか、嫌がらないでキスするとか。一緒に寝る。とか。
おかえりって、抱きしめてくれるとか。
今まで通りに暮らせればそんな風に思わないよ。
指輪も受け取ってもらえたし、
ちっとも、不安じゃないよ。
これで、ハヅキの前のオトコとも自信を持って戦える。」と笑う。
「…戦わなくてもいいと思うんだけど。」と私が言うと、
「いいや。きっと、また、連絡がくるよ。
話がなきゃ、電話なんてしてこねーだろ。
指輪、外に出るときはちゃんとしてて。
ハヅキに婚約者がいるってわかるだろ。
それに、絶対ひとりで会うなよ。」
とリョウは機嫌の悪い声を出す。




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