キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉



「だ、だって…」


クラス替え、クラス発表の紙を拝み続けたあたしを襲ったショック。


「まー、そー言うなよー、ナッチー!知枝里ちゃんは最愛なダーリンとクラス離れて落ち込んでんだからさー」


………そう。

ようやく結ばれたダーリンは、隣の8組。

あたしは7組。

クラスが、クラスが離れてしまった!!

もちろんそれが最たる気掛かり事だけど、今顔を合わせているメンバーも、充分気掛かりだった。


ナッチ。

数年越しで安堂くんを想い続けた恋敵。

なぜか今では大親友。


安川くん。

生まれて初めてあたしに告白してくれた類い稀なる男の子。

なぜか今、一緒に話している。


ナッチには、内緒の内緒で報告した。

付き合うことになったことを、安堂くんもナッチに言っていいと言った。

なべっちにもこっそり報告した。

めちゃくちゃ驚いていたけど、喜んでくれた。

内緒にしてくれるとも約束してくれた。


――――で。

問題はこの人。

安川くん。

安川くんには、前、安堂くんとのことを見られてしまった。

次の日、噂になっていると覚悟を決めて登校したけど、何も変わらなかった。

安川くんはあの時のことを、誰にも言わずにいてくれたらしい。


ただ、勘違いしていた。あたし達が付き合っているんだと。


結局付き合うことになったから、開始時期は違えど話は通っていて、否定することも出来なくなった。

だけどこの人もまた、誰にも言うことはしないという。


「まー、寂しいけどさ!隣のクラスなんだし、そこになべっちもいるんだし、見に行けばいーじゃんっ。なべっちに会いに行くついでに」



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