恋は理屈じゃない
LOVE*7

デート当日


デート当日の水曜日。太陽が沈んだ午後六時の遊園地内を、速水副社長と肩を並べて歩く。普段はスーツ姿の速水副社長も、今日はボルドー色のカーディガンとブラックパンツスタイル。秋を感じさせる装いがとても素敵だ。

速水副社長のレアな私服姿を見られてうれしいな。琴美の言う通り、一緒に遊園地に行ってほしいとお願いして正解だったよ……。

舞い上がっていることを自覚しつつ、ライトアップされた幻想的な園内を進んでいると速水副社長がクスッと笑った。

「やっぱり鞠花ちゃんは若いな」

「えっ?」

「その弾ける太ももを見ると、年の差を感じる」

散々悩んだすえに決めたのは、カーキ色のシャツにデニムのショートパンツスタイル。足もとはレザーのショートブーツをチョイスした。

遊園地デートだから動きやすくカジュアルだけれど、子供っぽくならないように気をつけたのに……。

速水副社長の言葉にがっかりすると、頬を膨らませた。

「弾ける太ももって、なんかオヤジみたいで、いやらしい……」

速水副社長を白い目でジロリと見つめる。

「いやらしいと思われたくなければ、露出度が高い格好をしてこないことだな」

「……」

まだデートは始まったばかりだというのに、速水副社長の冷たい言葉が胸に突き刺さる。

オシャレしてきたのに……。

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