クラッカーにはご用心
「誰か同乗されますか?」



掎蹟の言う通り、数分後に到着した救急隊によって殊犂に応急措置が取られた。



「いや俺は………」



指揮を取らなければならないので同乗が出来ない掎蹟は、言いかけながら蜜穿を見た。



救急隊が到着した時、入れ替わるように離れたと思ったら、いつの間にか殊犂のジャケットを羽織っている。


そして、内ポケットに入っていたであろう携帯を操作していた。



「うちもええわ。説明しに行ったらなあかんし。」


「説明?」



「この携帯の中にある、ヤクの情報とか裏金とか、廓念会の証拠がわんさかの載ったサイトに関しての説明や。やから同乗者はおらんさかい、はよ病院行ったって。」



にわかには信じられなかったが、これ以上待たせるのは危険と判断し掎蹟は救急隊に任せた。



「ほんでサイトってなんや?」


「これ。」



見せられた画面には、可愛らしい蜜蜂のピクトグラムに彩られたクラウドが表示されている。



「見たことあれへんな。」


「そりゃそうや。うちのオリジナルやさかい。」



パスワードの入力が必要らしい。





符丁:単純なお巡りさん、あんたのお名前は?
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