ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
そんな切ない気持ちを抱えたままの私は、制服姿のままバレー部の後輩からもらったガーベラの花を持ってここに座っている。
地面には芝生が敷かれているけれど、今日で最後だから制服が汚れたってかまわない。
まあ、そんなこと気にしたこともないし、実際には何度もこうして汚している。
ただ、制服でここへ来るのも今日が最後だということがより一層私の気持ちを湿らせていた。
空を見上げれば春らしい乾いた風を感じるけれど、まだまだ肌寒さも残っている3月。
マフラーを軽く巻きなおして鼻をスンと鳴らす。
普通に楽しかった3年間の高校生活を無事に終え、友人からの打ち上げの誘いも断ってこんな場所にいる理由は、実は私にも分からない。
ーーそれでも今日は、ここに来なければならなかった。
地面には芝生が敷かれているけれど、今日で最後だから制服が汚れたってかまわない。
まあ、そんなこと気にしたこともないし、実際には何度もこうして汚している。
ただ、制服でここへ来るのも今日が最後だということがより一層私の気持ちを湿らせていた。
空を見上げれば春らしい乾いた風を感じるけれど、まだまだ肌寒さも残っている3月。
マフラーを軽く巻きなおして鼻をスンと鳴らす。
普通に楽しかった3年間の高校生活を無事に終え、友人からの打ち上げの誘いも断ってこんな場所にいる理由は、実は私にも分からない。
ーーそれでも今日は、ここに来なければならなかった。