幼なじみとさくらんぼ



そして午前の授業が終わって昼休み。

こんなに時間の進みが遅く感じたのは久しぶりかも。だって大量に届く迷惑なラインや電話のせいで授業も集中できなかったし。


「あ、私飲み物ないや」

「一緒に行こうか?」

「ううん。すぐ買って戻ってくるから」

私はそう言って教室を出た。

裕子が私を気遣ってくれてるのが分かる。

クラスの女子のほとんどがいつもどおり私に接してくれるけど、他クラスや接点のない人は違うし、一緒にいる裕子までヘンな目で見られてるんじゃないかってそれだけが不安。


……はぁ。

それにしてもこの鳴り止まないスマホには参るなぁ。

メンタルは弱いほうじゃないんだけど、常に誰かに見られてる気がして疑心暗鬼になりそう……。


「あのサイトマジやばいよね。あんなので小遣い稼ぎしてるとかドン引き」

「けっこう大人しそうな顔してるのにね?あーゆうタイプほど裏で、みたいな」

「私の男友達に見せたらないわって言ってた。親父相手でも平気でできちゃう子は基本的にムリだって」


絶対私に向かって言ってるって分かった。

2年生みたいだけど、もう上級生にも広まっているのか……。でもそうだよね。スマホから誰でも見れちゃうし、こういうのって他人からすれば面白いネタなんだろうし。


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