空の下で
6章

柚姫side

気づけば、暗くて、寒くて、何の音もしないところにいた。


ここ…どこ?


「今日は外はけっこう暑いよ…柚姫は暑くない?」


ん?翔?何処にいるの?


「ふふっ早く目覚ませよな?ねぼすけさん」


私、起きてるよ?


何処?何処にいるの?


声を出そうにも、ん、出ない?


前が良く見えない場所をさまよっていた。


何かにコツンとあたってこけてしまう。


とたんに前が白く光った。


まぶしすぎて目が開かないじゃないの…


うっすら目をあけると上から覗きこむ翔が見えた。


何か話しかけてくれるけど、何も聞こえない。


ねえ、そっちに行きたい。


手を伸ばしても、翔に触れられない。


すると、何かが私を包み込んだ。


ん?懐かしい匂い…


「柚姫?なにしてるんだ?」


「お父さん…ここ…何処?」


「お前はここにいちゃだめだ。早く戻りなさい。」


「どうやってもどるの?」
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