空の下で
最終章

柚姫side

ふと目が覚めると、辺りは騒がしかった。


また発作……


この2日で3回も……


「柚姫…目覚めた?ちょっと待ってね」


河野さんがすぐに部屋を出た。


「柚姫、今気になるとこあるか?」


「特に……」


「手術、もうしようと思うんだ……お母様とお兄様の了解もある、あとは柚姫なんだけど……」


「……する…。」


「なら、呼んでくるのと、準備するから待ってて」


一刻でも早くしなきゃ……


いつ死んだっておかしくないもん……


医者だからわかるよ……


「柚姫先生、熱測りますね?」


久しぶりだな…こんな感じ……


「柚姫…」


「お母さん……」


「柚姫、頑張るのよ?何があっても、帰ってきなさい。まだあんた、若いんだから、ちゃんとま 戻ってきなさいよ?」


「柚姫?絶対諦めるなよ?がんばって……」


「お母さん……兄ちゃん……ありがと……がんばる……」


そして、翔がすぐに来た。


看護師さんはすぐに麻酔を私に打った。


「手術が終われば、話がある。だから、絶対戻って来いよ?俺は絶対柚姫を治すから、信じて……」


「うん……戻って……くる」


心の整理がまだついてない。


もう手術なんだって……


はぁ……眠くなってきたかな…


「かけ……る?」


「なんだ?」


「さいごに……ひと…つだけ………す…き……」


すーっと、目の横を涙が横切った。


そのまま、ふわっと目が閉じて、


人の死ぬ前のように、すーっと意識が消えた。
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