欲情プール
とたん慧剛は、驚きを帯びて僅かに戸惑うと。


「っ、どうもしないよ。
その頃俺は、とっくに婚約者と結婚してるだろうし。

第一、あいつは待ってたりしない」

そう寂しそうに微笑んだ。


やっぱり…
まだ愛してるんだ。

胸が切なさで押し潰される。



「何でそう、言い切れるの?」


「…

お前より仕事の方が大事だ、って。
結婚するなら会社の役に立つ女とする、って…
そう傷付けたから」


「どうしてそんなっ…
愛してたんでしょ!?」


「だからだよ。

愛し合ってる状況で別れたら…
忘れられずに苦しむだろ?

それに、俺がこの道を選んだのは事実だから」


そんなの、選ばざるを得なくて選んだくせに…
愛する人の為に、その人から敢えて嫌われる行動を取るなんて。


そんなに愛してたんだ?

それは、切な過ぎるだけじゃなく。


ほんとにこの人は、
なんてほっとけない人なんだろう…!




「だったら私は…

その道を何としてでも、成し遂げれるようサポートします」

力強く訴えると。


< 104 / 289 >

この作品をシェア

pagetop