8歳上のパパ【長期更新停止中】
9.元カレと過去の恋


店員と同じ、エンジ色のエプロン。


どうやら商品の陳列をしていたようで、重そうな段ボールを抱えている。


――なんで?

よりによって……ここにいるの?


なんで、今日あたしの前に現れるの……?





「……久しぶり」


持っていた段ボールを置き、あたしの方へとしっかり瞳を向ける。


胸に付けているネームプレートには『堤』と書かれていた。


「……一志〈カズシ〉」


呟いたあたし。


その横で、梨花子が驚いたように、あたしたちの様子を見ている。



「美未……元気だった?」

そう言った彼の笑顔は、一年前までと何も変わっていない。


あたしが……大好きだった笑顔だった。






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