8歳上のパパ【長期更新停止中】
13.セカンドチャンス
翌日、一志は、あたしよりも早く待ち合わせ場所にいて。
昨日作ったケーキを渡すと、とても喜んでくれた。
「オレがケーキ好きなの、覚えててくれたんだ?」
「……うん、当たり前じゃない」
忘れるわけない。
すごく好きだったから。
お互いの好きな物も、嫌いなものも。
たくさん話して来たから。
「食ってい?」
「え……ここでっ?!」
「だって、オレの為に作ってくれたんだろ?嬉しいじゃん」
何気ないその言葉に、胸がズキンと痛んだ。
元はといえば、彼に気持ちを伝えるために買ったもの。
でもやっぱりできなくて。
あたしは今日、こうして一志と会っている。