8歳上のパパ【長期更新停止中】
ちなみに、そのお店は梨花子のおばさんも働いているそうで、明日にでも頼んでおいてくれるらしかった。
『サラリーマンご用達のお店』だし、きっとあの通りにある喫茶店か何かだろう。
「絶対に覗きに行くから!!」
「い、や、で、す」
再び始まったママとあたしのやり取りを、彼は微笑ましそうに見つめていた。
相変わらずの、優しい瞳で。
窓の外には、彼の予告通りお昼過ぎ頃からパラパラと白い雪が舞っていた。
――洗濯物、中に干しておいて正解だったな。
ママに応戦しながら、そんなことを考えていると、食事を済ませた彼が食器を洗い出す。
それを見ていたママが、嬉しそうにあたしに言った。
「彼、いい人でしょ?」
「……」
‘うん’
そんな簡単な相槌もすぐに出てこないのは、今のママの言葉で実感してしまったから。
きっとあたしが知らない二人の絆はたくさんあるんだって。
改めて悟ったその事実に、なぜだか胸がチクリと痛んだ気がした。