8歳上のパパ【長期更新停止中】
23.真実の先



「単刀直入に言うと、試したのよ」

これが、ママの口から出た最初の言葉だった。


「試したって?」

あたしはとにかく真相を知りたくて、ママを追及する。


「うーん、色々なことを。
まず、純一くんの気持ち。本当に美未を好きなのかどうか。たった一度会っただけでしょ?だからその時の美未しか知らない。

でもあたしも母親だからね。美未に近づきたいならもっとしっかりして欲しかった。
まずは営業成績トップになること。それが条件だった。そして彼は、それを見事にクリアした」


「……結婚は?」


「……嘘に決まってるじゃない。籍だって入れてないし」


「なんでそんなこと……」


次から次へと聞きたいことが溢れてくる。

だって、それなら……彼が条件をクリアしたなら、その時点であたしに紹介すれば済む訳で。


そうしたら、こんなに苦しい思いをすることだってなかったはず。


たった8歳差のパパを好きになることなんて……。


「だから言ったでしょ?試したって」

「え……?」









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