8歳上のパパ【長期更新停止中】
それから公園内にある木製のベンチに、あたしは彼と二人で並ぶ。
少し離れた弁当屋のワゴンからは、店長と梨花子が好奇の目でこちらを見ている。
気付かれないように、ちょこんと顔を出しているつもりらしいが、もうバレバレ。
……二人とも、絶対に探偵にはなれないタイプだな。
あれが探偵だったら、明らかに不審者だ。
……なんて、想像しただけで笑ってしまう。
「どうしたの?」
くすくすと笑うあたしを見て不思議に思ったのか、彼が問いかけてきた。
少し首を傾げ、あたしの顔を覗きこむ。
どきん。
その微妙な距離の近さに、心臓が飛び跳ねて。
「ななっ……何でもないです!」
慌てすぎて声が裏返ってしまった。
……あーもう、最悪だ。
あたしの顔は、真冬の寒さにも勝てるくらいに火照っていた。