レンタル彼氏


「もしもし」
恐る恐る話すあたし。


「もしもしじゃないわよ!
あんたねぇ
なんで相談しないの!」


「主任の耳に入れたくなくて
誰にも言わないでいようって」


「バカ!本当にバカだわあんた」


「わかってます・・・」


「まぁ
大バカはあんたの隣のやつだけどね!」


チラッと主任の顔を見た
すると主任は
「オレの悪口か?」と聞いたが。。。
首を振るあたし。


「そいつさぁ
円香のことを好きなんじゃない?って
思って聞いたら始めは誤魔化してたけど
認めちゃってさ
それからよ!相談に乗ってたんだから」


「そーなんですか」


「だからさ
あたし両方から色々聞いてて
どっちもにチクってやろうか?
って思ったけど 言えないじゃん
そいつが自分で言うまで言うなよ!
って言うしさ」


ずっと話し続ける美奈先輩。


最後には
思いが通じ合えてよかったじゃん
あんたの異変を見抜いた翔太にも
感謝するのよ
妊娠は予想外だったけど
なんだか先を越されちゃった感じ!
と言われおめでとうも言ってもらえた。


「神崎がなんて?」


「おめでとうって」


「あっそう」


「翔太にも感謝するのよって
言われちゃいました」


「そーだな
あいつこれからは
デカイ態度取るだろううな
厄介なもんだ」


やれやれと言う主任だが
恩人なのは本当のことだ。

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