レンタル彼氏



「もー!美奈先輩いいですから
それに主任は このことを
聞かなかったことにしてください」


「じゃあさぁ
翔太に頼む?あっ・・・あいつは
彼女がいるから揉めたらいけないしね
うーん 営業課の吉田はどう?
結構仲良くしてんじゃん」


吉田さんは華子の彼の
工藤さんの同期で時々華子を含めて
食事に行くけど
そんな頼むような関係じゃない。


「いやいや そんな
もぉいいですって」


「あっ!そーだ!
あたしの彼に誰かいないか
聞いてみてあげるから
それで上手くいけば本物の恋人に
なれたりして!
一石二鳥でいいじゃん」


「先輩ぃ〜
そんなに知らない人と
3日間も一緒にできません」


「バカだね
それまでに会うのよ何度も」


やけにしつこい先輩。


「いやぁ・・・」


「任せなさい!
悪いようにはしないしないから」


「おい!神崎
本人が嫌がってるのに
勝手に話を進めてやるなよ」


あれ。。。初めて味方なようなことを
言ってくれてる。


「そう?じゃあさぁ
やっぱ 藤堂主任しかいないでしょ
よく知ってる同士だし」


「だから!何でオレな訳?」
「もー!美奈先輩!」


また発言はあたしたち同時だ。


「いいです!友人には
行かれなくなったけど
キャンセルしないでそのままにしてって
行かないけどお金だけは払います
嘘ついたあたしの責任として
それが一番誰にも迷惑かけずに
済みますから」


チン・・・しばしの沈黙のあと
「無駄金」
冷たく言う藤堂主任。


「仕方ないですね」


「仕方ないなぁ」


「はい 仕方ないです」


「仕方ないから
一緒に行ってやるよ」


「えっ?」


そして「フフフ」
謎の微笑みの美奈先輩。



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