レンタル彼氏


「旅行もついでに
あいつに頼めばよかったのに」


「そんな間柄じゃないので」


「じゃあ オレは?
そんな間柄ってこと?
へぇ〜 七瀬とオレって
そうだったっけ?」


「えっ・・・それは・・・」


言葉に詰まっていると


「クックックッ面白っ
さぁ!行くか
神崎待たせるとうるさいからな」と
笑っていた。


「意外と意地悪ですね」


「今知った?」


「いえ・・・
前々から知ってますけど」


「おいこら!」


そんな冗談を言いながら
主任の車に向かった。


乗れと言われ 後部座席のドアに
手をかけた。


「前に乗れよ」


「助手席はマズくないですか?
誰が見てるかわかんないし
変な噂されたら・・・」


「車乗ったぐらいで 噂をたてられてたら
たまったもんじゃないな
まぁ 好きにしろ
後ろでも前でも」


助手席なんて乗ること
今後ないかもしれない
絶好のチャンス!


「やっぱ!乗っちゃいまーす!
主任の彼女さんたちごめんなさーい」


そう言って乗り込んだ。


「その達って何?
複数?聞き捨てならないんだけど?」


「だってぇ 主任は
遊ぶ女は星の数ほど・・・って」


「あはは」


反論するわけでもなく
笑ってるだけ。


「あっ!ついでに
水口さんごめんなさーい」


「水口ね・・・
見つかったら刺されるぞ」


やっぱり何だかんだと言いながら
2人は付き合ってるんだ
星の数ほどと言うのはカムフラージュで。










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