レンタル彼氏


旅行前日
「明日何時の飛行機?」と
主任が聞いてきた。


「7時45分なんで7時過ぎには
空港へ行かないといけないので
そのころ空港で待ってますね」


「はぁ?」


「いまさらですけど
ドタキャンしないでくださいね」


「お前はやっぱりバカだな」


「そんなに言われなくても
バカなことは重々承知してます」


「どこのカップルが現地集合すんだよ」


主任が家まで迎えに来てくれるという。


「迷惑かけます・・・ごめんなさい」


「いまさらだろ!
心配すんな 交通費プラスしておくから」


・・・あ・・・追加料金ね。


「プラス・・・ですか」
と落ち込む感じで言うあたしに



「あたりまえ」と
勝ち誇ったように言う主任。


「もう結構加算されてますよね
ちなみにいくらに膨れ上がってます?」


「そんな心配するくらい高くなってないよ
良心的に割安にしてるから
うーんそーだな・・・今は
2万くらいかな?」


「えっ・・・に・・・2万もですか?


「Ⅿsutajioの飲食代と日当だろ
それからみんなと会った日の日当に
食事代 それから・・・」


次々と旅行に関する話をした日の追加を
述べる主任。


「うそ・・・水曜の後の食事代は
追加じゃないと言ったじゃないですかぁ
それにしてもこれからまだ加算することが
増えるので分割にしてもらわないと払えないですよ」


「分割でもなんでも
払ってくれるならこっちは構わないよ」


マジで・・・すべてお金なんだね
雇ったんだから仕方ないけど
それでも好きだから仕方ないけど
あたしと主任はお金で繫がってるだけ・・・
痛いほど切ない。





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