今日も世界は回ってる
合流したいのは山々だが、一体どこに行ったのか。

手持無沙汰に、雛罌粟はビーチを歩く。

高校生離れしたスタイルに、まだあどけなささえ残す顔立ち。

そのギャップが男達の視線を引く。

何組かのナンパ男達をあしらいつつ、耕介を探す雛罌粟。

とはいえこの人数だ。

1人の人間を探すには手間取る。

と。

「彼女、1人?」

また声をかけてくる男。

いい加減ウンザリして振り向く。

「あ、警戒しないで、ナンパとかじゃないから」

その男は、きつめの視線を向ける雛罌粟に苦笑しながら言った。

「僕はこういう者なんだけど」

「…芸能プロダクション…?」

名刺を差し出され、雛罌粟は呟く。

「丁度近くで撮影をしててさ、素人さんにも参加してもらう企画なんだけど」

このプロダクションの名前は聞いた事がある。

確か、環も所属している事務所だ。

となると、耕介も撮影現場に行って、見学しているかもしれない。

探す手間が省けるか…?

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