今日も世界は回ってる
最初は波打ち際で遊んでいる姿や、ビーチを歩いている姿を撮った。

何気ない日常の1コマを撮影する。

しかし、途中からポーズを取ったり、表情にも注文を付けてきたり。

次第に演技指導のように、細かい要求をしてくる。

大きく足を開かされたり、胸を強調するようなポーズをさせられたり。

ポーズを変える際に、さり気なくボディタッチされるようにもなってきた。

終いには水着を取って、両手で胸を隠すなどといった際どい撮影も要求される。

当然、雛罌粟とておかしい事には気付く。

「そんな事は出来ませんから…」

憮然として、撮影現場から立ち去ろうとするが。

「何言ってんだ」

男が雛罌粟の腕を摑んだ。

「こっちは金払って撮影してやってんだ。れっきとした仕事なんだよ。金払ってる以上は最後までやってもらうぞ。遊びでやってんじゃないんだからな。学生身分のガキが、グラビア撮影嘗めてんじゃねぇぞ?」

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