妖怪なんて見たくない!
「聞いたよ。昨日の朝、蘭の力を止めたんだって?
力も使えるんだね」
ニコニコと言う葉折くん。
「いや………まあ、ね。
視えるひとは、みんな使えるんじゃないの?」
「……………バカ」
ボソッ、と呟く柊木蘭。
「……………知らないだけだし」
「まあまあ。本当に知らないの?折原さん」
「うん。視える人に会ったの、初めてだもん」
柊木蘭がちらっ、と私に目を向ける。
「よくそれで平和に生きてられるもんだな。」
平和に?
「…………まあね。平和なほうかもね」