お告げの相手は誰ですか?

   魔女の住む家?




右京は電車に乗って律の家まで向かっていた。



本当はチノパンにポロシャツというラフな格好で行く予定だったのに、清花のアドバイスでスーツを着せられてしまった。


「とにかく最初の第一印象が大事なんだから。
それが全てを決めると言っても過言ではないのよ」


清花は、数着しか持ってない右京のスーツを何度も出しては大きくため息をついた。


「っていうか、なんでこんな急なの?
こんな事なら春先に着るいいスーツを買っておいたのに」



「スーツは着て行かないよ。
ポロシャツでよくない?」



「よくない。絶対によくない。
右京、絶対にスーツで行きなさい。

分かった?
あなたと律さんのため思って」



「分かったよ」



右京は気の毒なほどに必死な清花が切なかった。
いつもやる気のない弟が珍しく自分からいばらの道へ飛び込もうとしいているのだから、姉は絶対に成功をしてほしいと願っている。


それは分かるのだが…



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