お告げの相手は誰ですか？

右京はそう言うと、自分のデスクにドサッと座った。

律があの野郎の腕を握ってすがるような目をしたのが許せなかった。
あの光景が頭から離れない…


「誰でもは誘いません。
慎之介君だから誘ったんです」


右京は完全に嫉妬の嵐の渦の中にいた。


慎之介？
あのひょろ長いキリンのような奴のどこがいいんだ？


「これからこの秘書室であんな密会をするのは禁止する。
あいつと話したいんだったら俺の見てない所でしてくれ」


右京は律の顔を見れなかった。


律にしてみれば、俺からこんな事言われる筋合いはないと思ってるはず。
でも、言わずにはいられない。
もう、頭の中がおかしくなりそうだ…


しばらく沈黙が続いた。
右京は自分が蒔いた種なのに、この重苦しい沈黙に耐え切れずにいた。


「右京さん、今日の事は謝ります。
でも、これから私が誰と話そうがつき合おうが、右京さんにとやかく言われたくありません。

それに、私は…
誰でも誘うような女じゃありませんから」