お告げの相手は誰ですか?

   ワインより甘く




右京は電話を切った後、しばらく宙を見て考えていた。


マルコ?
ちびまることも聞こえたし、マルぼーろとも聞こえた。
あいつはかなり酔っ払っている。
早く迎えに行かなきゃ、ヤバいことになりかねない…


右京は律の家の近くのワインバーを検索した。
かろうじてマルコだけは分かっていたため、思いのほか早くにその店を見つけることができた。

“マルコポーロ”
律はその店で寝てしまっているかもしれない。

右京は上着をはおって急いで律を迎えに行った。
車が運転できない右京は、電車かタクシーでしか行く事ができない。

律の住んでいる場所には直線距離では近い。
電車に乗ると遠回りすることになる。

右京は迷いなくタクシーに乗り込んだ。


「山下町の“マルコポーロ”までお願いします」



でも、なんであいつは一人なんだ?
今夜は若いつばめのキリン君と飲んでるはずじゃなかったのか?




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