sweetlove
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私たちはこの日、学校に戻った。

明後日からは夏休み…。

その前にどーしても入部届出したくて、私は学校戻ってすぐに入部届を書いた。

顧問は凄く喜んでくれた。担任も、保険医も。

私は晴れてバスケ部に入部したのはいいんだけど…。

相変わらずモテる私の恋人の取り巻き女子に睨まれてしまい、重い空気が流れた。

『へったくそじゃん!』

どっかからそんなヤジが飛ぶ。

当たり前でしょ!?どんだけあいたと思ってんのよ!!

一人心の中で呟いた。

そしたら意外な所から声が。

『てめぇら、誰に言ってんだ?自分が振り向いてもらえなかったからってひがんで嫌み言ってんじゃねぇぞ!ボケ』って。

その声の方に目を向けると、なんと、男バスの副キャプテンだった。

『彼女いなかったら、俺ら、決勝まで行けてなかったからな!』と胸を張るような言い方。

少し恥ずかしい。

そしたら、女バスのメンバーも男バスのメンバーもそーだ、そーだと同調してくれた。

その後の練習は何とかなったんだけどね…。

終わったら、急にどっと疲れちゃった。

「みずき!夏休みの練習は参加するんでしょ?」とみよりが言ってきた。

「あー、うん。そのつもりだけど?」と私が言うと、

「じゃあ…アドレスと番号聞いといても言いかな?また連絡したいし…」と女バスキャプテン綾子さんに言われて、私は番号とアドレスを教えて皆、解散していった。

男バスで残っているのは…キャプテン(岬さん)と副キャプテン。

女バスでは私とみよりだけになった。

「みずきちゃん、ゴメンね?さっきは勝手に…」と副キャプテンに言われた。

「いえ、嬉しかったです」と私が言うと、

「そう、良かった。あ、少し練習付き合ってもらえる?」と副キャプテンは言った。

私は岬さんの顔を見た。

頷いてくれたので、練習付き合うことにした。

けど…何よ!楽しそうに二人で話して…。

なんか少し不愉快…。みよりと岬さんが仲良くしてるの…。

私と副キャプテンは一対一をすることになった。

さすが、副キャプテン、手強い。

中々抜けない。私は何とか抜いて、ドリブルでゴールに向かった。

よし、シュート!

ガンー鈍い音がして…縁に当たった。

えっ?入らなかったの…!?

私は呆然と立ち尽くしていた。

「みずきちゃん、ダメだよ?油断したら…」と副キャプテンに言われ、我に返った。

落ち着いて…もう一度…

ゆっくり丁寧に投げた。そしたら今度はちゃんと、ゴール決まった。

「ほら、やれば出来るじゃん!」と副キャプテンは私の頭を撫でてくれた。

「ありがとうございます!!」と私が笑うと、「いいえ、これから頑張っていこうな!」と言ってくれた。

そんな様子を見てた岬さんがいきなり私のとこに来て、いきなり私を抱き締めた。

「おい、俺の女に気安く触んじゃねぇ」って。

「ゴメン、ゴメン。みずきちゃん可愛くてさぁ、ついつい…」とかいう副キャプテンは反省してなさそう。

「ありがとう。みずきちゃん、俺はもう帰るね」と副キャプテンは言って体育館を去ろうとする。

みよりはそんな副キャプテンを追いかけて、「一緒に帰ってください!!」と言っていた。

「イーよ。送っててあげるね?」と副キャプテンは言って二人で体育館を出ていった。

残されたのは私と岬先輩の二人だけ。

気まずい空気が流れた。

「気安く触られてんな!!」と岬さんに言われた。

「何でですか?」と反撃を試みる。

「何でって…嫌だから。俺、みずきを独り占めしたい」と岬さんは顔を赤くしながら言った。

「なら、私も言わせてもらいます!!みよりと楽しそうに話してるの…不愉快でした」と私が言うと、

「お前のはなししてたんだけどな?」なんてズルい。

私たちはお互いに顔を赤くしながら見合わせて笑いあった。

そして、戸締まりをして…体育館を出た。

私たちは手を繋いで、下校した。


翌朝ー今日は終業式。

学校につくと、上履きがなかった。

「おはよー、みずきどしたの?」と聞いてくるみよりに

「上履きが…無いんだ…」と私が言うと、

「えっ、あっ、ほんとだ…」とみよりは騒いだ。

「どーする?もうすぐチャイムなるよ?」とみよりは言った。

「先行ってて…探すから」と私が言うと、

「ダメだよ!私も探すから。遅刻するなら一緒に遅刻する!!」とみよりは言った。

そして私たちは上履きを探し回った。

中々見つかってくれない。

私は涙が溢れてきた。

「ゴメンね、みより…もういいよ。後は一人で探すから…体育館でしょ?行って!」と私が言うと、

「けど…」とみより、「私は大丈夫だから」と私は言って無理やりみよりを体育館に向かわせた。

涙が止まらない…どーしよ。

私は涙を拭いながら必死に上履きを探した。

「…みずきちゃん?」と声をかけられた。

「副キャプテン!?」と私は言って慌てて涙を拭うと、いきなり抱き締められた。

「どした?胸貸すよ…」って。

副キャプテンは背が高いからちょうど私の頭が胸くらいだった。

「…上履きが…隠されたみたいで…見つからなくて…」と私が言うと、

「アイツらか?」と聞いてきた。

「わかりません。けど…辛くて…」と私が言うと、「大丈夫!今日は終業式だけだし…このまま探そう!一緒に探すよ…」と副キャプテンは言って、一緒に探してくれた。

やっと見つけたときには、終業式なんてとっくに終わっていた。

裏庭の水溜まりから発見された私の上履き。

悔しくて、耐えられない…。

息を切らしながら、みよりが走って来てくれた。

「見つかった!?」って。

「…見つかったけど…」と私は言って悲しい上履きを見せた。

「あの人ら、ほんと、たち悪いわね。って、副キャプテン!?何でいるんですか?」とみよりは言った。

「んー一緒に探してたからかな?」と副キャプテンは言った。

「みずき!本気、出してアイツら見返してやろう?」とみよりは言った。

私にはどうすればいいのか、わからないけど。

とりあえず頷いた。

「さてと、この後はどーしようか?部活行く?」と副キャプテンは聞いてくれた。

「…保健室行きます。今の気持ちのまま体育館言っても練習真面目に出来そうに無いので…」と私が言うと、

「じゃあ、俺とみよりちゃんで、保健室まで送ってくよ!」と副キャプテンは言って私は二人に保健室まで送ってもらった。

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