キスラバーズ

揺れ動く心

えっ?まさか…

「っ!ん?」

頭ガンガンする

「ここ?大丈夫?」

新が心配そうに私を見る

「あらた?…まだ私は夢を見ているの?夢でもいい、新ががいてくれるんだもん。」

弱く笑う私

「ここ、なんで自殺なんかしたんだよ…まさか、俺のせいか?」

「新のせいじゃ無い…私の、心の問題だったの。私はまだ新が好きなんだよ…夢でもいいから、気持ちを伝えたかったの。」

また、私は深く眠る

夢を見ないくらい深く眠る

私の心を感じる、暖かくて、懐かしいような気持ちが、空っぽだった体に流れ込んで…とても心地がいい

そうだ、これが如月 ここだ!当たり前の事なのに、なんで忘れていたのかな?
以外と、自分の事って見えないな…

目が覚めたらどうするの?

私の暗い気持ちが囁く

もちろん、新に謝りに行く!

許してくれるかな?

許される許されないの問題じゃ無いでしょ!

不安だよ

私も不安よ?でも、はっきりしないほうが辛くなるから…

あなたは、私を消すの?

消さない、あなたも如月 ここだもん、不安な気持ちも大切な私だもん…

本当に?また私が暴れたらどうするの?

その時は、私が受け止めてあげるよ…不安症な私、臆病な私、色んな私がいるのよ?

黒くなる、不安な気持ちを私が抱きしめる

優しくしないでよ、暖かくしないでよ…また傷つくのが怖くなるから

傷ついたら、その分私が治してあげる、あなただけ傷つくんじゃ無い、みんなで分散するの、そうすればわかってくれるよ…

わたしは要らないんじゃ無いの?

いいえ、あなたも必要なの…弱い私も私なんだから…

抱きしめていた、黒い私は体に戻る…なんの痛みも、憎しみも抱かずに戻っていく…じんわり暖かくなる…冷たく、固まって、周りを切り刻んでいた彼女が溶けていく…

おかえり、私
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