熱恋~やさしい海は熱砂の彼方~

“ガチャ!”

…って、あたしが返事をする前にドアが開いていた。

「…!」

頭からかぶっていたフトンを、慌てて脱ぎ捨てるあたし。

「もォ、母さん、部屋に入るときはいつもノックして、って言ってんじゃんっ」

「ハイ、ハイ、ごめん、ごめん」

全然謝ってるようには聞こえない。

「それよりアンタ、みさきちゃんのこと、叩いたんだってね。アンタのほうこそ、みさきちゃんに謝りなさい」

「あ、そのことはいいんです。すいませんけど、あたしとなぎさちゃんの2人にさせてくれませんか?」

「えっ? う~ん……分かったわ。じゃあ、2人で話しなさい」

そう言うと、母さんは1階へと降りていってしまい、部屋には、あたしとあのコの2人きりになってしまった。

「………」

気まずいあたし。

「いっぱい寝て、元気復活したかなぁ?」

あのコはふだんと同じテンションだった。

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