特別なのは私だけ
「タクミ帰ろー?」
放課後タクミを迎えにいくとタクミが驚いたような顔をした。

「おー!帰るか!」
校舎を出ると
「アヤから迎えに来るとか珍しいな」
と言われた。

「タクミには協力してもらってばかりだし、私も一歩踏み出さないと」

「偉いな」
そういいながら頭を撫でられる。

「子供扱いしないでよ!」
とちょっと怒ってみせるけど

「はいはい」
と流されてしまった。


「あっ!そうだ!」

「なんだよ?」
急に大きな声を出したのでタクミが驚いたようにこっちを見る。

「タクミ何かほしいものとか行きたいとことかないの?」

「は?なんで?俺誕生日じゃないぞ?」

「わかってる!あのね…お礼。ちゃんとしてないから!だから遠慮なくいってほしいの!」

なるほどという顔をしてタクミが少し考えて口を開く。

「お礼とかじゃなくて普通にデートしようぜ??」
と言ってきた。

「え?それじゃお礼にならない…」

「だから!お礼とかいらないから。普通に休みの日とかお互い時間あるときはデートな?俺はそれの方が嬉しいけどな?」

「なんかタクミに甘やかされてる気がする…」
ちょっと不機嫌になる私に

「お前なに?いやなの??」
とちょっと意地悪にいうタクミ

「ち、ちがうよ。…じゃあよろしくお願いします」
結局タクミに甘えてしまった

「とりあえず…明日お前暇だろ?どっか行くか?今日の夜場所とか決めるか。ってか決めとけ!じゃあまた、夜連絡するからな。またな」
すでに私の家についていてタクミはそういって返事も聞かずに走って帰っていった。




< 18 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop