アイ・ミス・ユー
爽やかな目覚めに現を抜かしている場合じゃなかった。
うっすらと蘇ってきた昨夜のことが思い出される。
2軒目の居酒屋で今野と飲んだ。
そこで日本酒に手を出し始めたヤツが酔っ払ってベロンベロンになった。
居酒屋を出て帰ることにしたけれど、あまりにもヤツの足元がおぼつかなかったので肩を貸してやった。
だけど大の大人、しかも男を支えるのはさすがにしんどくなって、さらには面倒くさくなってきて。
仕方なくラブホに入ったのだ。
━━━━━そうだ、ここ、ラブホじゃん。
場所を把握して、事態も飲み込んだ。
場所が場所なだけに、って感じで、流れで今野に襲われたのだ。
最初は抵抗したけど、男の力には適わないし。
たぶん今野は酔っ払っていたし、私を前に好きだった人と勘違いして欲情したんじゃないかと思う。
なんか彼のことが不憫になって、彼氏もいないことだし一晩だけ付き合ってやるかと応じた私も、今思えばけっこう酔っていたのかも。
シラフならヤツの顔面に100発くらいはグーパンチを食らわせていたはずだ。
でも、いくらなんでも会社の後輩とやっちまうとは。
私って節操ない女だったんだ。
自分にガッカリした。